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JPモルガン証券株式会社
最良執行方針
この最良執行方針は、金融商品取引法第40 条の2 第1 項の規定に従い、お客様にとって最良の取引の条件で執行するための方針及び方法を定めたものです。
当社では、お客様から国内の金融商品取引所市場に上場されている有価証券のご注文を受託した際には、以下の方針に従い執行することに努めます。
1. 対象となる有価証券
国内の金融商品取引所市場に上場されている株券、新株予約権付社債券その他の有価証券で、金融商品取引法施行令第16 条の6に規定される「上場株券等」とします。
なお、フェニックス銘柄である株券及び新株予約権付社債券等で、金融商品取引法第67条の18 第4号に規定される「取扱有価証券」はお取扱いしておりません。
2. 用語の定義
- 「PTS」とは、金融商品取引法施行令第26条の2の2第7項に規定される「私設取引システム」をいいます。
- 「取引施設」とは、東京証券取引所(立会内取引市場に限ります。以下同じ。)及びPTSをいいます。
- 「ダークプール」とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の2第7項に規定される「社内取引システム」をいいます。
- 「取引施設等」とは、取引施設及びダークプールをいいます。
- 「SOR」とは、当社のシステム「Smart Order Router」の略であり、本方針においては、SORの機能の内、複数の取引施設等から、あらかじめ定められた方法により執行場所を自動的に選択し、お客様の注文を当該執行場所に回送又は発注する機能をいいます。
- 「レイテンシーアービトラージ」とは、金融商品取引業等に関する内閣府令第124条第2項第1号ハに規定される「注文の執行に要する時間の差により生ずる金融商品市場における相場に係る変動、市場間の格差等を利用した取引戦略」をいいます。
3. 最良の取引の条件で執行するための方法
(1) SORを利用する場合
お客様のご指示に従い、当社はSORを利用して注文執行を行います。SORをご利用いただく場合、以下(b)SOR対象市場等から、SORの対象とすることを希望される取引施設等をご選択いただきます。
(a)SOR対象銘柄
東京証券取引所に上場されている上場株券等のうち、以下の有価証券(いずれも東京証券取引所有価証券上場規程にて定義されているものを指す。)
内国株券、外国株券、ETF、ETN、不動産投資信託証券、ベンチャーファンド、カントリーファンド、インフラファンド、優先出資証券
(b)SOR対象市場等
- 東京証券取引所(複数の金融商品取引所に重複上場する銘柄であっても、東京証券取引所のみがSOR対象市場等に該当します。)
- CBOEジャパン株式会社が運営するPTS「CBOE Alpha」及びジャパンネクスト証券株式会社が運営するPTS「J-Market」(CBOE Alphaと合わせて、以下「対象PTS」といい、東京証券取引所と合わせて、以下「対象取引施設」といいます。)
- 当社が運営するダークプール「JPM-X」
(c)回送先・発送先の選択方法
マーケットの状況やSORの設定により、実際の回送順位及び発注条件等が変わることがあります。
- まず、他の方法により指値が付いている場合を除き、取引施設での最良気配を注文の指値とし、当該注文の一部又は全部についてJPM-Xに即時対当可能な流動性がある場合、SORはJPM-Xに対し当該注文を回送します。なお、JPM-Xのマッチングの仕組みについては、当社ホームページに掲載しております「日本におけるJPM-Xの運営に関する概要書」の通りです。
- 続いてSORは、注文の指値、対象取引施設の気配情報を含むマーケットの状況、執行コスト、執行スピード等を総合的に勘案の上、単一または複数の対象取引施設に発注し、またJPM-Xに回送します。この際、同様の最良気配が複数の対象取引施設に存在した場合は、まず注文は対象PTSに発注します。
(2)その他のシステムによる回送先・発注先の指定
- 寄付き又は大引けで執行する指示がある注文や、寄付き前に頂いた指値注文または成行注文、不成注文等の執行方法の指示が付された注文については、ブルームバーグL.P.が主要市場として選定する金融商品取引所へ発注します。
- 当社のアルゴリズムを用いて注文執行を行う場合、アルゴリズムのパラメーター、注文の条件、約定の見込みやマーケットの状況等により、当該アルゴリズムにおいて、細分化した注文(以下「子注文」といいます。)の回送先としてダークプールを指定することがあります。対象となるダークプールは、JPM-X及びリクイドネット証券株式会社が運営するダークプール「Liquidnet Japan Trading System」(以下「他社ダークプール」といいます。)のうち、お客様にご指定いただいたものになります。また、お客様がSORをご利用されている場合、一般的にアルゴリズムは状況により、同時に他の指値注文をSORに回送し、SORを通じてSOR対象市場等に対して当該注文を回送又は発注し、他の取引施設等の流動性の獲得を目指します。
(3) SORを利用しない場合
お客様からいただいたご注文は、お客様から執行方法に関する特別なご指示がない場合につきましては、委託注文として速やかに国内の当該銘柄が上場している金融商品取引所市場に取次ぐことといたします。また、金融商品取引所市場の売買立会時間外に受注した委託注文については、金融商品取引所市場における売買立会が再開された後に金融商品取引所市場に取次ぐことといたします。
委託注文の金融商品取引所市場への取次ぎは、ご注文をいただいた取引を執行する金融商品取引所市場についてのお客様のご指示がない場合においては、次のとおり行います。
- ご注文に係る有価証券が上場されている金融商品取引所が1箇所である場合(単独上場)には、当該金融商品取引所へ取次ぎます。
- ご注文に係る有価証券が複数の金融商品取引所に上場(重複上場)されている場合には、ブルームバーグL.P.が主要市場として選定している金融商品取引所市場へ取次ぎます。なお、当社にお問い合わせいただければ、各銘柄について選定された金融商品取引所市場についてお伝えいたします。
- 当社が上記により選定された金融商品取引所市場の取引参加者ではない場合には、ご注文をお受けいたしません。当社は東京証券取引所及び名古屋証券取引所の取引参加者です。
4. 当該方法を選択する理由
(1)お客様がSORを利用する場合に上記3(1)の執行方法を選択する理由
(a) 当社においてSORを用いた執行方法を導入している理由
当社では、お客様の価格に関する指示を踏まえ、当社がご用意できる高い流動性をお客様に提供することを目的としてSORを導入しております。具体的には、当社としては、SORを通じ、東京証券取引所を中心とした各取引施設における価格へのインパクトを抑制しつつ、各取引施設等の最良気配、約定の確実性、執行スピード、執行コスト等を総合的に勘案して回送先及び発注先を決定することにより、当社のお客様にとって最良の執行結果を実現しうるものと考えております。また、主要市場である東京証券取引所に加え、複数の取引施設や当社が運営するダークプールを回送先及び発注先の対象とすることにより、より高い流動性の提供が実現可能になると考えております。
(b)回送・発注先市場等の選択の方法及び順序の合理性
- JPM-Xに即時対当可能な流動性が確認される限り、最初にダークプールであるJPM-Xへ回送することで、東京証券取引所を中心とした対象取引施設における価格へのインパクトを抑制しつつ、他の取引施設に比して速やかに注文を東京証券取引所の最良気配の範囲内の価格で対当でき、お客様に高い流動性をご提供できると考えております。
- JPM-Xに即時対当可能な流動性が見られない場合は、対象取引施設間の最良気配が同一の場合、対象PTSへ回送することで、東京証券取引所の価格へのインパクトを抑制し、お客様の利益につながると考えております。
以上より、当社としては、SORの回送順位にかかる設定は合理的であると考えております。
(2)当社のアルゴリズムによる回送先にダークプールを含む理由
上記3(2)のとおり、当社のアルゴリズムは受注した注文を細分化し、当該子注文をダークプールに回送することができます。ダークプールに回送することで、速やかに注文を東京証券取引所の最良気配の範囲内の価格で執行でき、東京証券取引所を中心とした各取引施設の価格にインパクトを与えることなく執行が可能になると同時に、高い流動性をご提供できると考えているため、このような対応を講じております。また、当社ダークプールに加え他社ダークプールを回送先に追加することで、更なる流動性を効率的にご提供できると考えております。
(3)お客様がSORを利用しない場合に上記3(3)の執行方法を選択する理由
一般論として、金融商品取引所市場には多くの投資家の需要が集中しており、流動性、約定可能性、取引のスピード等の面で優れていると考えられ、ここで執行することが基本的にはお客様にとって最も合理的であると考えられるからです。また、複数の金融商品取引所市場に上場されている場合には、その中で主要市場として選定されている金融商品取引所市場において執行することが、同様にお客様にとって最も合理的であると考えられるからです。
5. その他
(1) 次に掲げる場合においては、3.に掲げる方法によらず、それぞれ次に掲げる方法により執行いたします。
- 執行方法全般について、別途の取り決めをしているお客様に関しては、当該取り決めで合意された範囲で、お客様固有のニーズを勘案し、金融商品取引所立会外市場及び市場外での執行方法の方がお客様にとって有利であると判断できる場合には、上記3.の定めに従えば取引施設又はダークプールを通じて取引を行う場面であっても、当社は金融商品取引所立会外市場又は市場外での執行を選択する場合があります。
- お客様から個別注文の執行方法について、以下のいずれかの点に関するご指示をいただいた場合、上記3.の定め及び執行方法全般にかかる取り決めにかかわりなく、そのご指示に従います。
当社が自己取引勘定または他のお客様の注文と相対取引を行う指示、お取引時間帯のご希望、執行する取引施設等の指示等
- 法令で認められた範囲内で締結された一任契約等に基づく執行
当該契約等において、お客様から委任された範囲内において当社が選定する方法
- 端株及び単元未満株の取引
当社が自己で直接の相手方となる方法もしくは端株又は単元未満株を取扱っている金融商品取引業者に取次ぐ方法
(2) レイテンシーアービトラージへの対応策
当社のSORは、上記3に従い、各取引施設の最良気配の他、お客様がご希望されるSORの設定等、様々な要素を総合的に勘案して、具体的な各注文の回送・発注先を決定しており、これをもってレイテンシーアービトラージへの対応策としております。
(3) システム障害等により、やむを得ず、最良執行方針に基づいて選択する方法とは異なる方法により執行する場合がございます。その場合でも、その時点で最良の条件で執行するよう努めます。
最良執行義務は、価格のみならず、例えば、コスト、スピード、執行の確実性等さまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務となります。したがって、価格のみに着目して事後的に最良でなかったとしても、それのみをもって最良執行義務の違反には必ずしもなりません。
令和5年12月12日現在
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